11世紀初め、元主君サブールを追放し新たに王朝を打ち立てたアル=マンスールの一族は、そのおよそ100年後に存続の危機を迎えていた。 王国を拡大させた3代ウマルの死後、2代続けて10年に満たない統治の中で不審な死を遂げ、6代ワハブはわずか4歳での即位とな…
「勝利者」アル=マンスールから始まるアフタス朝は、アル=マンスールの孫にあたる第3代「狼王」ウマルの時代に大きな繁栄を迎える。 しかしウマルの死後、王国は混乱の時代を迎える。まずはウマルの息子であるアル=ファドルはカスティーリャ王国を打倒し、反…
11世紀初頭、後ウマイヤ朝末期の混乱に乗じ、元スラヴ人奴隷のサブールが建国したバダホス王国。そのサブールの宰相を務めていたベルベル人、通称「バダホスのアル=マンスール」ことアブダラー・イブン・アル=アフタスがサブール死後その息子たちを追放し王…
11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後に生じた、タイファ時代と呼ばれるアル=アンダルスの戦国時代。これを勝ち抜き、新たにアル=アンダルスの支配者となったのが、「バダホスのアル=マンスール」より始まるアフタス朝バダホス王国である。 王国の大国化を…
11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後、戦国時代と化したイベリア半島南部アル=アンダルス。 その中で台頭してきた勢力が西のバダホス王国と東のトゥレイトゥラ(トレド)首長国。 共にベルベル語を操るムワッラド派イスラム教徒たちという共通点を持つ彼ら…
1031年に後ウマイヤ朝が滅亡した後、アル=アンダルスと呼ばれるイベリア半島の南半分は、タイファ時代と呼ばれる混沌の戦国時代を迎えていた。 そのタイファ諸国の1つ、バダホス王国は、アフタス朝の創始者アル=マンスールの孫にあたるウマル・イブン・アル…
1031年。後ウマイヤ朝が滅亡。 巨像を失ったアル=アンダルスは、「タイファ時代」と呼ばれる混沌とした戦国時代へと突入する。 互いに支配権を巡り相争うイスラム教徒たち。さらには北のキリスト教徒たちもまたここに介入し、半島は未曾有の混乱へと陥って…