リストリー・ノーツ

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【CK3】アル=マンスールの一族⑦:光輝王ワハブ編・中 十字軍の襲来(1121-1139)

11世紀初め、元主君サブールを追放し新たに王朝を打ち立てたアル=マンスールの一族は、そのおよそ100年後に存続の危機を迎えていた。 王国を拡大させた3代ウマルの死後、2代続けて10年に満たない統治の中で不審な死を遂げ、6代ワハブはわずか4歳での即位とな…

【CK3】アル=マンスールの一族⑥:光輝王ワハブ編・上 大反乱戦争(1109-1121)

「勝利者」アル=マンスールから始まるアフタス朝は、アル=マンスールの孫にあたる第3代「狼王」ウマルの時代に大きな繁栄を迎える。 しかしウマルの死後、王国は混乱の時代を迎える。まずはウマルの息子であるアル=ファドルはカスティーリャ王国を打倒し、反…

【CK3】アル=マンスールの一族⑤:アブー=バクル編 疫病/王国の真の支配者(1103-1109)

11世紀初頭、後ウマイヤ朝末期の混乱に乗じ、元スラヴ人奴隷のサブールが建国したバダホス王国。そのサブールの宰相を務めていたベルベル人、通称「バダホスのアル=マンスール」ことアブダラー・イブン・アル=アフタスがサブール死後その息子たちを追放し王…

【CK3】アル=マンスールの一族④:アル=ファドル編 狼を狩る者(1096-1103)

11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後に生じた、タイファ時代と呼ばれるアル=アンダルスの戦国時代。これを勝ち抜き、新たにアル=アンダルスの支配者となったのが、「バダホスのアル=マンスール」より始まるアフタス朝バダホス王国である。 王国の大国化を…

【CK3】アル=マンスールの一族③:狼王ウマル編・下 伝説の誕生(1089-1096)

11世紀前半に後ウマイヤ朝が滅んだ後、戦国時代と化したイベリア半島南部アル=アンダルス。 その中で台頭してきた勢力が西のバダホス王国と東のトゥレイトゥラ(トレド)首長国。 共にベルベル語を操るムワッラド派イスラム教徒たちという共通点を持つ彼ら…

【CK3】アル=マンスールの一族②:狼王ウマル編・中 アル=アンダルスの覇者(1077-1089)

1031年に後ウマイヤ朝が滅亡した後、アル=アンダルスと呼ばれるイベリア半島の南半分は、タイファ時代と呼ばれる混沌の戦国時代を迎えていた。 そのタイファ諸国の1つ、バダホス王国は、アフタス朝の創始者アル=マンスールの孫にあたるウマル・イブン・アル…

【CK3】アル=マンスールの一族①:狼王ウマル編・上 エル・シッドとグレドス峠の戦い(1066-1077)

1031年。後ウマイヤ朝が滅亡。 巨像を失ったアル=アンダルスは、「タイファ時代」と呼ばれる混沌とした戦国時代へと突入する。 互いに支配権を巡り相争うイスラム教徒たち。さらには北のキリスト教徒たちもまたここに介入し、半島は未曾有の混乱へと陥って…

【Vic3/Victoria3】世界で最も豊かで幸福なスイスの作り方④(最終回) 祖国防衛戦争(1896-1936)

ナポレオン戦争後、スイスは「調停」時代、「修復」時代、「再生」時代を経て、少しずつ旧来の連邦主義から統一された国家への「改革」を進めていった。 1850年代後半から、その改革を主導したのが元首相ヨーゼフ・フランツ・カール・アムルヒンと、ベルリン…

【Vic3/Victoria3】世界で最も豊かで幸福なスイスの作り方③ 最後の改革(1876-1896)

ナポレオン戦争後、暫くは旧来の国家連合形式を復活させそれを継続させていたスイスも、1830年代より少しずつ自由主義改革が進展。 1855年選挙では急進主義者ヨーゼフ・フランツ・カール・アムルヒンを中心とする自由民主党が政権を獲得し、改革を進めていく…

【Vic3/Victoria3】世界で最も豊かで幸福なスイスの作り方② 改革の代償(1856-1876)

13世紀末、ハプスブルク家の支配に対し原初三州が「盟約者同盟」を結び成立したスイス。しかし当時はまだ独立した国家の連合体であり、17世紀のウェストファリア条約で神聖ローマ帝国からの独立が認められた後も、18世紀末にフランス革命に巻き込まれ強制的…

【Vic3/Victoria3】世界で最も豊かで幸福なスイスの作り方① 再生と変革の時代(1836-1856)

前回のオーストリア編で軍事に関してはある程度確認した為、今回は新バージョンでの経済面をじっくりと確認するプレイをしたいと考えた。 その上で選んだのがスイス。完全内陸国で2州しかなく、政体的には随分と改革が進んでいる先進国ではあるものの経済的…

【CK3/Shogunate】北条高広の野望β ~上杉謙信を3度裏切った男~

北条(きたじょう)高広。 こんな名前だが北条(ほうじょう)氏とは何ら血縁関係はなく、むしろ毛利家との関係の方が深い・・・というよりも毛利元就を含む安芸毛利氏よりも正嫡ですらある由緒正しき家柄だ。 そんな彼は戦国時代の真っ只中で、上杉輝虎(の…

【Victoria3 AAR/プレイレポート】神聖ローマ帝国の復活④(最終回) The Third Empire(1905-1936)

西暦800年に生まれ、1806年に息の根を止められた「神聖ローマ帝国」。それは半世紀の時を経て再び1870年に蘇ったものの、議会導入を求める急進主義者たちの台頭により、早くも危機に瀕してしまっていた。 帝国宰相オットー・フォン・ビスマルクと閣僚たちは…

【Victoria3 AAR/プレイレポート】神聖ローマ帝国の復活③ ドイツ革命とラインラント戦争(1870-1905)

神聖ローマ帝国。 それは1806年にナポレオンによって敗北せしめられた皇帝フランツ2世によって終焉が宣言され、1000年以上の歴史に幕を閉じることとなった過去の遺物であった。 だが、オーストリア帝国と名を変えたハプスブルクの帝国は、なおもこの普遍の帝…

【Victoria3 AAR/プレイレポート】神聖ローマ帝国の復活② 諸民族の春/帝国の復活(1853-1870)

一度失われた神聖ローマ帝国の栄光を再び求め、その復活を目指すオーストリア帝国宰相フィケルモントと陸軍大臣ルートヴィヒ大公。 そんな彼らの前に立ちはだかるのが、宿敵プロイセン王国。彼らは1845年7月11日、英露を味方につけた上でオーストリアに宣戦…

【Victoria3 AAR/プレイレポート】神聖ローマ帝国の復活① 泥沼と化した普墺七年戦争(1836-1852)

神聖ローマ帝国。 全フランクの王、シャルルマーニュが西暦800年にローマで戴冠したことを原初とし、以後1,000年にわたり西欧に君臨し続けた巨大なる帝国。 ローマでありながらローマでなく、統一国家ですらなく、神聖ですらなかった中世の遺物、異形の怪物…

【CK3】明智光秀の再演⑥ 光慶包囲網編(1595-1609)

天正6年(1578年)7月21日。織田信長、遠行。本能寺にて休まれている間に、何者かにより襲撃され、身柄不明に。 この混乱の中、織田家の実権を巡り、その筆頭勢力であった明智光秀と羽柴秀吉が全面対決。柴田を味方につけた明智方優位に進むも、天正9年(158…

【CK3】明智光秀の再演⑤ 文禄の役編(1592-1595)

明智家。 清和源氏土岐氏の流れを汲むとされるこの一族は、美濃国の斎藤家内紛に巻き込まれ滅亡間際に追いやられるも、そこから逃れた光秀なる男がのちに天下人・織田信長の側近となったことで歴史の表舞台へと登場する。 その出自においては不明な所の多い…

【CK3】明智光秀の再演④ 愛知川の戦い編(1581-1588)

永禄3年(1560年)の桶狭間の戦い以降、破竹の勢いで勢力を伸ばしていた尾張の大名・織田信長は、天正6年(1578年)7月21日に起きた本能寺焼失事件にてその消息を絶った。 以後、織田家はその嫡男・信忠を新たな当主に据えるも、有力家臣たる明智光秀・羽柴…

【CK3】明智光秀の再演③ 天正辛巳(しんし)の乱編(1578-1581)

応仁の乱より百年。 長く続き過ぎた戦国の世は、いよいよ終わりが近づきつつあった。 天下布武を掲げ上洛した織田信長は、浅井・朝倉・そして戦国最強と謳われる武田を次々と降し、その勢力を着実に広げていく。 そして天正5年(1577年)、信長本隊による播…

【CK3】明智光秀の再演② 京都騒乱編(1575-1578)

永禄3年(1560年)の桶狭間の戦い以降、破竹の勢いで勢力を伸ばす尾張の大名織田信長。 元亀年間(1570-1573)には浅井・朝倉・本願寺・武田らが加わった「信長包囲網」によって窮地に陥るが、これを救ったのが信長重臣の一人、明智十兵衛光秀であった。 浅…

【CK3】明智光秀の再演① 信長包囲網編(1572-1575)

元亀2年(1571年)9月。織田弾正大弼信長は、浅井・朝倉・本願寺らによる信長包囲網を打開すべく、近江国滋賀郡に位置する聖山・比叡の焼き討ちという前代未聞の所業を果たす。 その後、この滋賀の地を与えられたのが明智十兵衛光秀。出自不詳で織田家への合…

【Victoria3】軍事ユニット解説(一部Ver.1.5.12更新暫定版)

以下はVer.1.1.2の頃に作成した軍事ユニット解説となるが、Ver.1.5で軍事周りが完全にアップデートされ陳腐化したにも関わらずアクセス数がそれなりにあるため、取り急ぎVer.1.5.12時点でのデータを一部載せておきます。 まずは陸海軍の主力兵種のみ。のちの…

【Vic3】フランシア博士の夢・後編 夢を継ぎし者(1869年~1896年そして・・)

南米で最も早く正式な独立を達成した国、パラグアイ。 その統治の序盤において大きな影響を及ぼしたのがホセ・ガスパル・ロドリゲス・デ・フランシア博士。しかし独裁的な権力を握り先進的な改革を進めていった彼は1836年10月に志半ばで死去。 その後のクー…

【Vic3】フランシア博士の夢・前編 夢を叶えし者(1836年~1869年)

パラグアイ。 その他の多くの国と同様に、スペインの植民地・総督領としてその支配下に置かれていたその国は、1811年にラテンアメリカでは最初に正式な独立を達成した国となった。 その統治の序盤において大きな影響を及ぼしたのが、1814年に執政官に就任し…

【CK3】江戸城の主・結 小さき弥陀・太田道端(1534-1549)

関東最強の家宰としてその名を轟かせた太田道灌は、史実においては主君・上杉氏により暗殺され、その一族はその名声を超ゆることなく歴史の中に埋没していき、道灌亡き後混乱した関東はやがて、伊勢宗瑞と呼ばれし部外者によって蹂躙されていった。 しかし、…

【CK3】江戸城の主・転 道灌超ゆる者・太田資房(1496-1534)

文明十一年(1479年)。 すでに管領・細川勝元らの反乱や、側近・伊勢貞親の裏切りもあり、その権威を大きく失墜していた室町幕府は、越後上杉家当主・上杉顕定が中心となった大規模な反乱により、その命脈を実質的に絶たれる事態に陥っていた。 天下はこれ…

【CK3】江戸城の主・承 最初の戦国大名・太田道灌(1475-1496)

室町時代末期。 当時の関東は関東管領に任ぜられた上杉家と鎌倉公方との対立が激化しており、これが上杉方の勝利で終わったのちも、上杉家内での内紛が巻き起こるなど、五十年以上にわたる混乱が続いていた。 この状況を憂えた扇谷上杉家家宰・太田道真は、…

【CK3】江戸城の主・起 関東不双の知恵者・太田道真(1455-1475)

時は室町時代末期。 天下は八代将軍・足利義政の代であったが、嘉吉の乱以降の混乱により既に幕府の権威は地に堕ちており、地方では地場の有力諸侯がほぼ独立した権力を握り始めていた。 ここ関東も例外ではなく、関東管領に任ぜられた山内上杉家が関東一帯…

【Vic3】南の巨像 第三話 新政権とペルー・ボリビア戦争(1898-1936)

1825年のポルトガルからの独立以降、ブラジルは数多くの苦難に直面し、これを乗り越えてきた。 1831年から始まった幼帝ペドロ2世を支える摂政時代の混乱は、最終的に主導権を握ったアンドラーダの手によって1840年のペドロ2世親政開始という形で幕を閉じた。…