1896年。
60歳を迎えていたマニコンゴ(コンゴ王)ガルシア・キンラザ(ガルシア6世)は、国家の命運を左右する選択を迫られていた。
父である前王アンドレ2世時代から続く列強のイギリス、フランスへの経済的従属を続けるか、そこからの真の意味での独立を果たし「自由なる国」コンゴの自立を目指すか。
対列強市場従属を推進していた実業家勢力は今や見る影もなく、変わって政権与党を支配する自由党の一勢力である軍部は、その対仏強硬姿勢を取る勢力の筆頭であった。
軍部指導者は、2度の対欧米諸国戦争で全軍を率いて輝かしい勝利を続けてきた英雄ムヴォウドウコウサラ・マンカラの弟であるポアティ・マンカラ。
王党派であったムヴォウドウコウサラと違い共和主義者のポアティは、高い国民人気を背景にしながら、意向に反すれば王政打倒すら辞さないという圧力すらかけてきてもいた。
もはや、ガルシア6世に選択肢はなかった。
誇り高きコンゴ王国はついに、アフリカの一地方としてのくびきを解き、自由と、そして国家としての尊厳とを求めて動き出すこととなる。
Victoria3、コンゴ・プレイレポート第4弾。
コンゴの真の自由に向けての戦いが、今始まる。
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目次
前回はこちらから
経済的自立に向けて
さて、長きにわたる列強の経済的支配からの独立、すなわちフランスの関税同盟からの脱却、それ自体は難しいことではない。
「外交官の追放」そして「関係の悪化」を行い、関係性を20未満にすることで、自動的に関税同盟から外れて独立することができる。
但し、当然いきなりそれをやってしまっては、これまでその関税同盟の甘い汁だけをひたすら吸っていたコンゴ市場は破壊的な影響を受け、再起不能な状態へと陥ってしまう。
何しろこの国は工具工房は3個、鉄鉱山は1個、製鉄所もキビ畑も1個か2個程度しかないといった、およそ近代国家とは思えないほどの超依存国家に成り下がっているのである。そのくせ織物工場は43個、家具工場は40個とかあったりする。
よって、まずは「独立の準備」。すなわち鉄鉱山や工具工房、製鉄所、ガラス工場など必要最低限の資源を自給できるような施設増強を図ることとする。
また、現在のレッセ・フェールの法律は、工業系の施設を建設する分においては高い資本家の投資プール出資度ボーナスも相まって、非常に安く建設できるのだが、上記工業系と並び数多く追加する必要のあるキビ畑や染料農園、綿農園などの農業系の施設建設の際には投資を得ることができない。
よって、あらかた必要な工業系の施設を建て終わったあとは、法律を農業系への投資も得られる干渉主義へと法律を切り替えて、農業系への投資を促進していくこととなるだろう。
これはすなわち、これまでのコンゴ経済の隆盛を支えてきた実業家=資本家集団への完全な決別を行うことを意味する。
実際、第3回の最後に触れたように、これまで常に高い利益率を誇っていた家具工場や織物工場の生産性が落ち込み、今はコーヒーやタバコ、染料といった農業製品の生産性が高くなってきている。時代は確かに移り変わってきているのである。
また、イギリスやフランスのあの巨大市場を少しでも再現するべく、独立直後に関税同盟を大きく広げることを狙っていきたい。
最大の狙い目はすでに複数の国家にまたがる関税同盟を形成しているエジプト。
その他、イギリスから独立した南アフリカやダホメ、オヨ、ベナンといった象牙海岸~奴隷海岸の小国たちを組み込んでいきたい。
本当はもっと大々的に拡大したかったのだが、アフリカの国々はほとんどが孤立主義を採用しており、関税同盟に組み込めないという問題があった。
さて、関税同盟に組み入れるために最も重要になるのが「融資」である。
通常の状態では基本的に、エジプトのような大国は関税同盟に入ろうとはしてこないものである。そもそも自前の関税同盟を持っていることもあるし。
だが、このとき関係改善で関係を50以上の「友好」状態にすることで、この受諾スコアに20ポイントを加えることができる。さらに当初は態度が「無関心」だったりする国も友好関係を作ることで態度を「温和」にすることができれば、さらに30ポイントの受諾スコアを得ることができる。
この状態で「融資」コマンドを行い続けると、毎週1%の確率で「恩義」を発生させることができ、この恩義を消費すると(おそらくは)50ポイント分の受諾スコアを得ることができるようになる。
それでも受諾スコアが足りなければ、通常の関係改善では50までしか到達できない関係値を、融資し続けることで80ポイントまで上げることができ、この80ポイントに達すると関係は「親しみ」となり、受諾スコアに50ポイントを加えるようになる。
この「親しみ」と「恩義」という、金さえ出せば得られる状態で100ポイント分の受諾スコアは得られるため、あとは「協力的」か「温和」の態度さえ得られれば自分よりも小さな国は大体関税同盟に入れることができるようになる。
なお、上記の通り「関心」のない戦略的重要地域にある国家には関係改善も融資もできないため、少ない関心をうまくやりくりして融資相手を選択していこう。一回恩義を得たら関心を外しても問題はない。
あとはもちろん、融資にはお金をかけることになるため、財政的に余裕がないとこの戦略は取れない。経済的自立後に慌ててやろうとしてもその余裕はないはずなので、先にしっかりと下準備として、いつでも関税同盟に入れられる状態にまでもっていってから自立を試みよう。
なお、対象の国と交易を行っていることも、関税同盟に入れる際のボーナスに影響する。取引量50ごとに1ポイントの受諾スコアが得られる(最大値は不明)ようなので、細かな数字が必要な場合は利用しよう。
そうこうしている間に、コンゴの全ステートで「市場アクセスが足りないよ」というアラートが発生。
確認してみると、宗主国フランスのコンゴへと至るルートが輸送船不足で機能不全に陥っている様子。その理由は、彼らがアメリカの内戦に介入し、そちらに送られている軍の補給用に輸送船団が使われてしまっているから。
フランスに経済的隷属を続けている限り、こういった勝手な動きによる弊害がコンゴを苦しめ続けることになる。
やはり独立は避けられない。この道は、引き返すことはできない。
ガルシア6世はそう、決意を固めるのであった。
第3次コンゴ戦争(1902年~1903年)
1901年12月。
5年前にコンゴの地に植民地を築いていたオランダからその領土を無血で奪い取ることに成功していたコンゴ王国。
停戦が明け、今回もまた、残ったオランダ領ガボンを明け渡してもらおうと外交戦を仕掛けたところ・・・
なんと、今回はアメリカ合衆国がオランダ側について参戦するとのこと。
アメリカが持っているコンゴ植民地は承認戦争のときに使おうかと思っていたが、すでに国内でアフリカ系アメリカ人による独立国家を建国されるなどボロボロのアメリカは列強から落ちてしまっている。
よって、この戦いでオランダ領ガボンだけでなくアメリカ領コンゴ植民地も奪い取り、中央アフリカから彼らを駆逐することとする。
かくして、1902年4月30日。第3次コンゴ戦争が開幕する。
半月後の5月16日には速攻で両国の植民地を制圧。
相変わらず、準備不足の多い敵AI。このあたりは今後改善されるのだろうか(もちろん、こっちの動員・配置が早いと向こうもそれに対抗してくることが多いが)。
そのまま、上陸戦に備えようと構えていると・・・
1903年2月12日。
一度も敵軍による上陸戦が行われないまま相手方の戦争支持度だけがひたすら下がっていき、マイナスに。
相手側死傷者0のまま敗戦に向かって突き進むという異様な事態に。
そしてそのまま10月14日。
結局一度も戦闘は起こらないままアメリカが降伏。
10月26日にはオランダも降伏し、第3次コンゴ戦争は「戦闘なき戦争」として閉幕することとなった。
何はともあれこれで、コンゴはその国内に異国を含まないきれいな姿を取り戻すこととなった。
あとはその周囲に広がるフランス植民地である。
そして、同時期に英仏で激しい戦争が巻き起こっており、その影響を受けて市場アクセスがさらに劇的に悪化。
その度に国民は苦しみ、疲弊する。
もはや、一刻の猶予も許されない。
いよいよ、真の独立の時である。
アフリカ自由貿易圏
1906年12月28日。
悲願であったコンゴの真の独立を見ること叶わず、ガルシア6世はこの世を去った。
最初期こそ国民に背を向け、資本家に阿り、大国に媚び諂うような姿を見せていた彼であったが、最後は国民と共に寄り添い、誰よりも国民のことを思い続けていた国王であった。
思えば、彼は常に、国民の幸せに取って最良の選択肢を取り続けていたのかもしれない。
ただ、彼はとても不器用で、その本心を誰にも理解されないまま苦しみ、それでも信念をもって挑み続けていた。
ときに激しく非難し、偉大なる前王と比較して批判していた反対勢力たちも、最期はその死に等しく涙し、そしてその功績を称える言葉で埋め尽くされた。
そして、新たな王として、ガルシア6世の嫡男であるローンベ・キンラザ(ローンべ1世)が即位する。
まだ29歳と若いが傲慢で改革論者でもある彼は、政権与党・自由党を構成する軍部の意向を強く推し進め、もはや既定路線となったフランスからの経済的独立への最後の一歩を踏み出すこととなる。
そして1908年2月18日。
ついにフランスとの関係性が20を下回り、関税同盟が解消された!
独立が果たされたのだ!
と、同時に市場も独立。
準備はしていたが、それでもひどい状況になってしまった。
とりあえずここからまず取り掛かるのが関税同盟の締結。
準備していた恩義を使用して、各国をそれぞれコンゴ市場の中に組み入れていく。
こうして出来上がったのが、アフリカ自由貿易圏(AFTA*1)である。
原加盟国はコンゴ、エジプト、オヨ、ダホメ、南アフリカ、ベナン、ヒジャーズ、カスィーリーの8か国で、GDP合計は1億450万ポンド、総人口は2,616万人である。
まだまだ列強最下位の人口(スペイン)にも、列強最下位のGDP(アメリカ合衆国)にも届いていない小さな小さな経済同盟ではあるが、ここがコンゴにとっての新たな出発点である。
統合された市場も、コンゴ単独の時よりもわずかにマシといったところで、小国を飲み込んだだけのため正直役に立っているとは言い難い。
まずはこの経済の立て直しからである。
まずはフランス市場では売れに売れた高級衣類も高級家具も当然大量に在庫を抱えてしまっているため、早速織物工場や家具工場で製法をダウングレード。
一方、これまでフランスに一方的に搾取されていた電気は大量に余っているため、これまでは行えずにいた電動化を行うことで生産性を少しでも維持することとする。
逆に大量に不足しているガラスを補うためにすべてのガラス工房の製法をクリスタルガラスに変更したり、爆発物補充のためにすべての化学プラントを食塩電解にしたりする。
これらの製法変更で大量に必要となる鉛や硫黄はAFTA内では産出されないため、列強2位オーストリアや列強3位北ドイツから輸入する。
これまでの経済的属国下ではほとんど活用することのなかった貿易が、今後は重要な経済の生命線となっていく。
その他、逆に余っている染料やゴム、生地といった資源も大量に列強へと売りつけ、市場の安定化を図る。
当然、不足が機能不全を招いている鉄鉱山や石炭鉱山の大増設は急務である。
5年後、ようやくAFTAの市場も安定性を取り戻してきており、各商品の過不足も比較的健全な状態を保ちつつある。
AFTAの加盟国も当初の8か国から新たにザンジバル、メリナ王国、オレンジ共和国が加わり10か国に(アラビア半島南端の小国カスィーリーは脱退)。
GDPも何とか独立前の水準にまで戻りつつあり、経済的復興は着実に進んでいた。
一方、その間にヨーロッパ情勢では不穏な動きが続く。
1909年に巻き起こった英墺戦争で大敗を喫したイギリスでは共産革命が巻き起こり、イギリス共和国が成立。さらにフランスでも同様に革命が発生し、共産化してしまっている。
列強ランキングでは共産化フランスが1位だがイギリス共和国は列強から蹴落とされ9位。かの大英帝国も29艦隊しか持てないほどに財政的にも苦しい状態に陥っており、かつての栄華は見る影もない。
この不穏な時代に対応するべく、コンゴ王国は経済同盟であるAFTAに続き、更なるアフリカ諸国との連携を目指すこととなる。
そうして出来上がったのが、アフリカ大陸条約機構(ACTO*2)である。
孤立主義ゆえにAFTAには参加しなかったソコトやエチオピアを含め、コンゴ、エジプト、南アフリカの計5か国で構成された軍事同盟である。
これは中央アフリカを我が物顔で侵略し、アフリカの民を虐げ続けている共産化フランスに対する「対仏大同盟」の意味合いも強く持つ同盟であり、列強2位オーストリア帝国もまた、そんなACTOの後援国として貿易協定という形で支援してくれている。
ACTO盟主であるコンゴは軍備増強を進め、来るべき「そのとき」に向けての準備を着々と進めていた。
そして「そのとき」は、向こうからやってきたのである。
大アフリカ戦争(1914年~1916年)
1914年7月。
史実ではまさに前例のない大戦争が巻き起ころうとしていたそのとき、この世界においても、列強4位イタリア帝国がコンゴに条約港割譲を要求してきた。
そこに共産化フランスも加わり、想定以上に早く、「運命の時」がやってくることとなった。
ACTO後援国のオーストリア帝国も、かつての宗主国ポルトガルも、こちらの懐柔に応じる姿勢を見せているがACTO盟主のコンゴ王ローンべ1世はこれを固辞。
「アフリカのことはアフリカで決める」。それはACTOの標語であり、そして偉大なる祖父・父から受け継いだマニコンゴとしてのローンべ1世の矜持でもあった。
そして1914年10月26日。
のちに大アフリカ戦争(Great African War)と称されることとなる、中央アフリカを舞台とした史上最大規模の戦争が勃発する。
まずは手薄のフランス植民地を主にコンゴとエジプトの近代化軍が南と北から一気に進軍していく。
ソコトやエチオピア軍は数こそ多いもののその軍隊はまだまだ非正規兵の域を脱しておらず、フランスの超近代化軍を前にして次々と兵が斃れていく。
だが、彼らがそれぞれの戦線を守っている間に、コンゴ軍は次々とフランス植民地を制圧していく。開戦から半年後の1915年3月には戦争目標の8割を制圧するほどの戦果を挙げつつあった。
しかしすでに塹壕歩兵も取り入れているコンゴ陸軍は、圧倒的な防御力でもってフランス赤軍を迎え撃つ。
完全に油断していた中でフランスが上陸戦を仕掛けてきたが、これも兵舎に残る予備兵たちだけで撃退。
というかAIもこういう裏をかく上陸戦をしっかりとやってくるんだね・・。
技術後進国は斃しても斃しても無尽蔵の数で防衛し続け、大量に領土を奪い取ったコンゴ軍は技術的に見劣りしない鉄壁の守りでもって2倍3倍の損害が生まれる。
そんな戦闘を続けていく中で、いよいよ列強1位フランスも疲弊が限界を迎えつつあった。
そして1916年2月14日。ついに列強1位フランスが降伏!
残されたイタリア帝国軍も、南アフリカ戦線でコンゴ軍に押し込まれていく。
何しろ、列強にも関わらずイタリア帝国軍は戦列歩兵を連れてくるほどに技術後進国となってしまっている。コンゴ近代軍の敵ではない。
かくして1916年8月8日。コンゴ王国の港町で結ばれたリーブルヴィル条約によって、イタリアはコンゴに対して総額1,216万ポンドの賠償金支払いを約束させられ、さらにフランスはコンゴに対してエクアトゥール、コンゴ・オリエンタル、ガボンの植民地をすべて割譲することとなった。
これにてコンゴ王国は、その旧領をほぼ完全に取り戻すことに成功。
フランスとイタリアを打ち破ったことで欧米列強にもその地位を認められ、晴れてコンゴ王国は彼らと肩を並べる「列強」の一角として君臨することとなった。
これで正真正銘、コンゴは「自由」を手に入れた。
もはや彼らを虐げるものは存在せず、これからは世界の中心国の一つとして栄光を約束されることとなるだろう。
いや、これで終わりではない。
コンゴ「だけ」が自由を手に入れるのでは十分ではない。
今なおアフリカは、欧米列強により醜く分断され、悲痛にあえいでいる。
今や世界の超大国の一角へと登り詰めたコンゴには、アフリカの盟主として、果たさなければならない責任が存在した。
次回、「コンゴを自由にする」最終回。
「アフリカの自由」へと続く。
過去のシリーズはこちらから
【Victoria3】初見スウェーデンプレイ雑感レポート①(1836〜1856) - リストリー・ノーツ
【Victoria3】初見スウェーデンプレイ雑感レポート②(1856〜1876) 財政再建と産業革命、そして列強へ - リストリー・ノーツ
【Victoria3】初見スウェーデンプレイ雑感レポート③(最終回、1876〜1896) 2つの大戦とスカンディナヴィア統一 - リストリー・ノーツ
【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第0回 ポーズ解除前の状況確認と各種方針 - リストリー・ノーツ
【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第1回 奴隷解放と米墨戦争、そして太平洋岸への到達(1836年~1839年) - リストリー・ノーツ
【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第2回 自由を巡る戦いとフロンティアの消滅(1839年~1850年) - リストリー・ノーツ
【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第3回 海のフロンティア -黒船来航と太平洋戦争-(1850年~1861年) - リストリー・ノーツ
【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第4回(最終回) 米西戦争と世界侵略戦争、そしてアメリカ100州達成へ(1861年~1936年) - リストリー・ノーツ
*1:African Free Trade Area。なお、史実においてAFTAと言えばASEAN自由貿易地域(ASEAN Free Trade Area)のことを差し、アフリカ大陸自由貿易圏はAfCFTAと略称されている。とはいえこれは後発(史実のAFTAが1993年、AfCFTAが2021年)ゆえということもあるだろうから、個の世界でのAFTAは先にアフリカが名乗らせてもらう。
*2:African Continental Treaty Organization。もちろん、史実には存在しない。