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【Victoria3】独断と偏見の技術解説(Ver.1.1.2時点)

 

Victoria3発売から3か月。

すでに600時間以上プレイし、大小様々な8つの国でプレイしている立場から、現環境における取得を推奨する技術を中心とした「独断と偏見による技術解説」を記していきたいと思う。

 

多少なりとも参考になれば幸いであるし、「この技術はこういう点で良い/悪い」などの補足や、「この技術も取り上げるべきだよ!」という意見などあればぜひコメント欄やTwitterで指摘いただければ幸いだ。

 

なお、重要度については原則通常の産業化を進め列強1位を目指していく至ってノーマルなプレイを想定しているが、狙うプレイスタイルや選択した国家の状況により優先順位は大きく変わってくるので、その辺りも必要に応じて記事内部で補足している(「時代解説」も参照のこと)。

また、前時代の技術をコンプリートしない状態で次の時代の技術を獲得することによるペナルティはかなり大きいので、最優先に取るべき技術であっても前時代の技術はコンプリートしていることが前提となることをご了承いただきたい。

また、基本は日本語改善MOD(Japanese Language Advanced Mod)での表記を採用しているが、覚えている限りで原版の表記も併記している。

 

それでは行ってみよう。

 

目次

 

プレイレポートはこちらから

MOD『出版産業の興隆』で遊ぶ大英帝国RP重視プレイ

強AI設定で遊ぶプロイセンプレイ:AI経済強化MOD「Abeeld's Revision of AI」導入&「プレイヤーへのAIの態度」を「無情」、「AIの好戦性」を「高い」に設定

大インドネシア帝国の夢

大地主経済:ロシア「農奴制」「土地ベース課税」縛り

金の国 教皇領非戦経済:「人頭課税」「戦争による拡張なし」縛り

コンゴを自由にする

アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート

初見スウェーデンプレイ雑感レポート

 

こちらで軍事ユニット解説も行っています

suzutamaki.hatenadiary.jp

 

 

 

はじめに:時代解説

時代Ⅰ:前産業革命

時代Ⅰもコンプリートしていないような後進国ではとにかく1つの技術を取るだけでも大変なためこの時代の取捨選択が重要。

これらの国は生産系や軍事系の技術を進めても必要な資源や資本(≒建設局/建設セクターの数)が足りないことが多いため、パッシブ効果の多い社会系技術の有用度が相対的に高いように思える。

おススメ技術:「証券取引所」「大衆伝達」(時代Ⅱだけど)「地下下水道」「中央公文書館

 

時代Ⅱ:産業革命前期

植民地や輸出入で必要な資源を確保でき、複数の鉄骨建設で建設力も確保できる財力を手に入れた/あるいは初期から持つ国家のための時代。

内政で経済発展を目指すための生産系の価値が非常に高まる。一方で軍事系技術も取り方で(とくに後進国を相手にする場合は)差をつけることもできる。目的意識をもった取捨選択が重要になる時代。

おススメ技術:「機械工具」「機械化工房」「大気圧機関」「クリスタルガラス」「化学的漂白」「鉄道」「参謀本部

 

時代Ⅲ:産業革命盛期

重要技術が多く、必要革新量も多いため取捨選択の難易度が上がる。ゆえに「絶対にこれ!」という技術はむしろ少なく、国家の方針に合わせた意図的な選択が重要になってくるだろう。各項目を参照のこと。

おススメ技術:「ダイナマイト」「ガントリークレーン」「後装砲」

 

時代Ⅳ:産業成熟期

ここまで来ると勝ち確になっていることも多いが、次代の特徴としては資源不足・労働力不足・生産性不足(による施設の機能停止)などが問題として出てきやすい時代でもある。また、ここまで培ってきた経済力を元手に、いよいよ強国に差をつけて侵略戦争を開始する時期でもある。同じ革新値を持つ国同士でも、AIにはできない集中的意図的な取得によって差を付けられやすいので、目的を決めて迷わず取得していく必要がある。

おススメ技術:「蒸気タービン」「塹壕作業」「縦深防御」

 

 

重要度S(劇的に利益をもたらすため獲得可能になれば最優先で獲りたい技術)

生産系時代Ⅱ:機械工具(メカニカルツール)

屠畜場はともかくその他は重要度の高い製法解禁が多く経済を劇的に変化させる可能性を持つ最重要技術。

とくに鉄製の道具は工具不足に悩む序盤の肝であり、家具工房の発展は経済を飛躍させる可能性を一気に高める。

亜硫酸パルプもとくに小国では序盤の行政府(特にその第二段階製法「書類整理システム」)で必要となるが貴重になるため、その生産性向上は重要度が高い。

もちろん、工具を大量に使用できる経済力と、高級家具を売れる市場がなければ価値は下がる。よって、後進国(とくに先進国の市場に入れていないそれ)の場合は優先度が下がる。

 

生産系時代Ⅱ:機械化工房

機械工具に続けて獲りたい重要技術。家具工場縫製(織物)工場を純粋強化してくれる。

 

生産系時代Ⅱ:大気圧機関

とにかく需要に対して生産量の少ない各種鉱山資源の生産量を高める製法をアンロックする超重要技術。

これを取ってもまだ足りないくらいなのでニトログリセリンダイナマイトも引き続きすぐ欲しくなるだろう。

 

 

重要度A(同じく劇的に利益をもたらすため基本すぐ取りに行きたいが状況により考えなしに取るべきでないときもある)

生産系時代Ⅱ:クリスタルガラス

生産系時代Ⅱ:化学的漂白

※「漂白」は原版では「まっさらな紙」

この2つは似た系統の効果をもたらし、ほぼ連続して取得するパターンが多いので同時に紹介させてもらう。

家具工場/裁縫(織物)工場ほどではないがその次点で生産性を期待できるガラス工房及び行政系施設の商品代高騰を抑えるためのの増産に資するこれも重要度の高い技術。

しかも2つはほぼ連続で獲得できるのでガラス工房の生産性は一気に高まる。

ただし、ガラス工房は染料を、製紙工場も染料を追加で必要としてくるのでその確保策は用意しておくこと。

 

生産系時代Ⅱ:鉄道

言わずと知れた産業革命の華・鉄道。インフラ問題を一気に解決する。

得られるインフラ量もさることながら、まともな産業発展ができていれば序盤〜中盤の輸送需要は莫大のため、複数鉄道を建てても助成はほとんど発生しないため、港よりもずっとコストパフォーマンスが良い。

鉄道輸送製法ももちろん、人手不足の国家の場合は有用だが、輸送が原料不足にならないよう注意する必要がある。

 

社会系時代Ⅱ:中央公文書館

序盤の行政力(官僚制)不足を一気に解消してくれる行政府の「書類整理システム」製法を解禁してくれる。

但し紙の消費も大きくなり国庫支出も純粋に増加するため、製法変更のタイミングや製法変更すべきステートについては慎重に考えること。行政力は余っている分には無駄に余らせる効果は薄い(建設効率UP効果はあるがよほど総量が少なくないと効果は限定的)ので、すでに足りないという状況でないなら脳死で優先すべき技術でもない。

なおロシアや東アジアの国家では不足している課税キャパシティを改善するパッシヴ効果も持つため価値がより高まるが、これも劇的というほどではないので他に優先すべきS級技術がある場合は急ぎすぎないこと。

 

生産系時代Ⅱ:ニトログリセリン

生産系時代Ⅲ:ダイナマイト

鉱山系資源の出力をさらに上げる。ニトログリセリンは死者も増やすが本当に資源が必要なときはなりふり構っていられない。自国の人口状況と合わせて検討を。

また、爆薬の消費が激しくなるため、そちらの準備も重要。爆薬はなかなか輸入できないので。この辺りから数珠繋ぎで必要資源の種類が増えていく最も忙しく最も楽しい時期に突入していく。

 

社会系時代Ⅱ:近代下水道

鉄道前では貴重なインフラ確保が最大の目的。20万人につき1ポイントのインフラが増える計算なので、自国のインフラ不足都市の状況に応じて優先度を変えよう。必要ないときは本当に必要ないので・・・。

 

軍事系時代Ⅱ:参謀本部

ドイツやフランスなど列強は最初から持っているが、列強下位以下に取っては序盤〜中盤の戦争に際して最低限必要な技術。戦列歩兵の攻撃力(20)と非正規歩兵の防御力(15)にはほとんど大差がなく、散兵の攻撃力(30)になって初めてまともに技術の差を感じられるようになるのだ。300%ボーナスのつく先住民反乱の鎮圧においては、戦列歩兵のままでは思わぬ苦戦もする。

こちらも参考に⇒【Victoria3】軍事ユニット解説(Ver.1.1.2) - リストリー・ノーツ

但し、採用のためには弾丸が必要となる。自前で用意するには銃用雷管の技術を別途取得して弾丸工場を作る必要があり、さらに50体の散兵を用意するためには20個の爆発物と20個の鉛が必要となる。事前に準備しておくこと。

 

社会系時代Ⅱ:弁証法

クリック1つで大学から出力される革新値を1.5倍にしてくれる。これを喉から手が出るほど欲しい国は大抵小国だろうし、小国にとっては大学1つ建てるのも辛いのでよりありがたみが増す。次に大学の製法を変更できる技術は時代Ⅴの分析哲学まで待たないといけないため、実質的にここが唯一の革新強化技術である。

中世以来のスコラ哲学からカント・ヘーゲルから始まる近代哲学へ。根本の思考法を転換することでその他の科学発展にも寄与するというイメージなんだろうけれど、分かりづらいよね。

 

 

重要度B(劇的とは言えないものの確実に利益をもたらすもののため、他に優先すべきものがなければ取りに行きたい技術)

生産系時代Ⅱ:水管ボイラー

省力化製法を解禁する。人口に余裕のある国では全く不要だが、小国始め労働力に苦慮する国家では優先度は大きく跳ね上がる。国家として人口に余裕があるときも、首都などに高価値施設を集中させたいときには必要になることもあるだろう。

特にこの水管ボイラーは家具/工具/織物工場と、大量に建設する可能性のある建物ばかり。もちろん、工具・石炭を大量調達できるかどうか次第だが。

 

生産系時代Ⅱ:集約農業

次の改良肥料も合わせ、最大の魅力は「使い道のない肥料を大量消費する」点。もちろんそこからもたらされるのは同じく使い道の少ない穀物だが・・・穀物は人口が多くなると割と不足量も大きくなるし、ロシアとか清とか売れる国には結構売れる。

ワインを主要輸出物にしている場合は、小麦畑そのものの生産性を高めてくれるという点でも有価値。

 

生産系時代Ⅱ:ベーキングパウダー

蒸気の肥料系技術で増えすぎた穀物を逆に消費してくれるという点で意外と優先度の高い技術。食料品はどれだけあっても困らないしね。

砂糖の確保は必須。アフリカ植民地を取れれば困らないけれど・・・。

 

生産系時代Ⅲ:シフト勤務

規模の経済は同じ種類の建築物を同じステートに重ねて建てることによって得られる処理量(=スループット、消費と生産の量)へのボーナスのこと。「機械化工房」技術獲得で31個建造したときの+30%が上限となるが、このシフト勤務を獲得することでこれが51個建造による+50%まで上限を増やすことができる。

黒字施設なら利益もそれだけ大きくなるため効果は絶大。生産性の鬼である織物工場や家具工場は貿易と組み合わせることで無限の需要を持ち、50個所有するステートを複数個持つこともありうるので、直接利益に繋がるだろう。

とは言え劇的というわけではなく、「確実に効果は出すが他に優先すべきものがなければ積極的に取りたい」技術の代表例と言えるだろう。

 

生産系時代Ⅲ:加硫

ゴムが調達できるなら縫製(織物)工場の生産性を最大化できるため重要。家具工場と並び生産性50超えの超優良施設をバンバン建てられるようになる。

自転車伝令は・・・あってもなくても良いレベル。ゴムの生産性を上げるための需要を作り出すうえでは使える。

 

社会系時代Ⅰ:証券取引所

もちろん孤立主義の国には不要だが、後進国重商主義国家は序盤の限られた行政力(官僚制)の中で貿易をやりくりすることが多いため重要度は高い。

 

社会系時代Ⅰ:大衆伝達

初期の専制的国家の場合、10%は布告/消費税1個分になるため、この技術をあえて自分で取らなければならないような後進国にとっては効果は大きい。次の「民族主義国家主義」も同様。

 

軍事系時代Ⅲ:後装砲

未承認地域大国から列強下位あたりまでの「旨味のある征服相手」は19世紀終盤まで戦列歩兵(防御力30)・騎馬砲兵(防御力15)の体制が続くことが多い。そこに散兵(攻撃力30)とこの技術で解禁される榴散弾砲(攻撃力30)が加わることで戦力的優位を保つことができるようになるため、その辺りの戦争を考えているならば参謀本部に加えて取っておきたい技術。

例によってこちらも参考に⇒【Victoria3】軍事ユニット解説(Ver.1.1.2) - リストリー・ノーツ

 

軍事系時代Ⅳ:塹壕作業

時代Ⅱの参謀本部からかなり離れているため、大きなパラダイムシフトを生み出す技術。防御面での効果が高いが攻撃面においても、この技術をいち早く取得することで他国に差をつけて攻勢戦争を有利に進めることができる。

例によってこちらも参考に⇒【Victoria3】軍事ユニット解説(Ver.1.1.2) - リストリー・ノーツ

なお、防御面での優秀な軍事特性「塹壕ネズミ(防御+20&「奇襲」「慎重」発生率+150%)」は、この技術取得によって解禁される?

 

軍事技術時代Ⅳ:縦深防御

塹壕作業」以上にある意味優秀なのは、そちらが取得後に製法変更しないと効果を発揮しない=設備適合のことを考えると「戦争中」に取得しても効果がほぼ無い、のに対し、こちらの技術は取得と同時に効果を発揮すること。よって、取得前に戦争(もしくは外交プレイ)を開始しても問題ない。

これは堡塁などその他の似た効果をもつ技術も同様だが、その中でもこの縦深防御は効果が劇的に高い。

また、超優秀な軍事特性「縦深防御スペシャリスト(防御+30&「奇襲」「慎重」発生率+200%)」はおそらくこの技術で解禁される。

 

 

重要度SP(特定の目的のために必要な技術であり、その状況によっては最優先されうる技術)

社会時代Ⅲ:人権

義務初等教育(教育制度投資を最大レベルまでアンロックする)」「言論の保護(技術の伝播速度を最大化する)」といった重要法律を解禁する技術。この時代は欲しい技術が多く、かつ中級以下の国だと革新も不足しており取捨選択が迫られる中、いざ上記の法律が欲しいと思った時に取得していない、というパターンは結構あるため、注意しておきたい。

 

生産系時代Ⅲ:ポンプジャック

各種農業系施設の生産性を大幅にアップさせてくれる。とくにこれらの施設は生産性を向上させる機会がここしかないため重要度は高い。とくにゴム。発動機の需要が一気に高まるので製法変更は慎重・計画的に。

また、いよいよ石油の本格生産の時代がやってくる。

 

軍事系時代Ⅲ:ガントリークレーン

輸送船団量を劇的に改善してくれる「産業港」製法をアンロックしてくれる。海洋交易重点国の場合輸送船団不足は常に付きまとう問題のため、これを一気に改善してくれるだろう。やり過ぎで財政を圧迫しないように注意。

なお、輸入しない限りは、汽船を生産するための「装甲艦」技術も一緒に取らないと意味がないパターンも多いため注意。この時代はほかに獲りたい技術も多いため悩ましい。

 

社会系時代Ⅰ:ロマン主義

基本的にはそこまで重要な技術ではないのだが、農本主義を解禁するという一点において優先度が高くなることがある。農奴制廃止なしで伝統主義を廃止する唯一の方法がこれだからだ。

ただ、産業発展がうまくいっているとその前に十分に実業家が育って農奴制廃止→干渉主義 or レッセ・フェール制定に行ける場合もそこそこあるので臨機応変に。

Ver.1.2で経済システムが変更されることでまた価値が変わりそうな技術。

 

生産系時代Ⅳ:蒸気タービン

電気技術自体は、それが研究可能になるタイミングではそこまで急いで獲りたい場面は多くない印象だが、やがてこの時代Ⅳくらいになってくると一気に不足感が出てくる(特に生産系時代Ⅳ技術「電気コンデンサ」で織物工場用の「電動ミシン」が解禁されると)。

さらに発電所はとにかく生産性を上げにくく、建てても人が集まらないことが多い。その解決策としては他に高生産性施設(家具工場などの優良工業系施設や石炭鉱山などの優良資源系施設)が存在しないへき地に(大抵の場合発動機産業や武器弾丸工場などと一緒に)隔離して建てることと、この「蒸気タービン」によって無理やり生産量を上げて生産性を高める、などが考えられるため、そういった意味で獲っておくと便利。

 

 

その他、候補としては考えていたがあえて取り上げなかった技術としては以下の通り。いずれも有用だが今回紹介したものほど最優先ではないものや、「そりゃ言うまでもなく優先度高いだろ」なものも含めている。迷ったら取っておこう。

・軍事時代Ⅱ「堡塁」

・軍事時代Ⅲ「装甲艦」

・社会時代Ⅰ「植民地化」

・社会時代Ⅱ「キニーネ

・生産時代Ⅲ「ゴムの素練り」

・生産時代Ⅲ「スチームドンキー」(省力系技術)

・生産時代Ⅲ「ロータリーバルブエンジン」(省力系技術)

・生産時代Ⅳ「空気工具」(硬材生産量強化)

 

 

いかがだっただろうか。

とにかく独断と偏見によるもののため、様々意見はおありだろうため、ぜひコメントなど寄せてもらえると幸いだ。

 

このブログのメイン記事でもある以下のプレイレポートもぜひ。個人的にお勧めは「大地主経済」です。

MOD『出版産業の興隆』で遊ぶ大英帝国RP重視プレイ

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大インドネシア帝国の夢

大地主経済:ロシア「農奴制」「土地ベース課税」縛り

金の国 教皇領非戦経済:「人頭課税」「戦争による拡張なし」縛り

コンゴを自由にする

アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート

初見スウェーデンプレイ雑感レポート