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Europa UniversalisⅣ プレイレポート:ホラント 第1回「独立と初期拡張」(1444年~1467年)

0.はじめに

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新バージョンにアップデートされたのを記念して、新たな国家でプレイレポートを上げる。

今回は海上交易で稼ぐプレイをしたいのでホラントを選択。

ネーデルラント成立プレイではユトレヒトやゲルデルン公国(Gelre)が有利と言われるけれど、せっかくだからオランダの語源となったホラントでプレイしたいもの。

ユトレヒトやゲルデルンにはない、固有のオランダ(Dutch)アイディアも強力である。

それは以下の通り。

 

  1. 年間インフレ率削減量+0.1
  2. 商人+1、交易距離+10%
  3. 開発コスト-10%
  4. 提督の射撃能力+2、航海士(Sailor)の維持費-10%
  5. 異端寛容度+3
  6. 攻城能力+10%
  7. 陸軍射撃ダメージ(Land Fire damage)+10%
  •  (完遂ボーナス)交易効率+15%

 赤色は特に強力と思える能力。 

 

海軍・交易におけるボーナスが素晴らしい。

後半になると陸軍も強くなるので上陸後征服戦争も容易。

しかしやはり主軸は海洋交易。

北米への入植と、東南アジア支配を目標とする。

 

 

それでは行ってみよう。

 

 

1.ホラント独立戦争

ホラントはスタート時点でブルゴーニュの同君連合下に置かれている。

よって、ここからの脱却をまずは目指さなくてはいけない。

 

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ゲーム開始直後にフランスとオーストリアに外交官を派遣し、独立保証(Support Independence)をもらう。

フランスは開幕直後に独立保証をもらえないこともあるようで、その場合はやり直しを推奨する。

後述の通り、この戦略はスピードが命だからだ。

 

1人目の外交官が戻ってきたら、「教皇庁との関係改善」ミッション辺りを適当に選択したうえで派遣しておこう。

そしてもう1人の外交官が帰ってきたら手元に置いておき、

1444年12月11日になった瞬間に・・・

  

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ブルゴーニュ独立戦争を仕掛ける!

威信と正統性が大きく傷つき、安定度もダウン。

しかしこの瞬間に、ホラントはブルゴーニュの影響下を逃れ、新たな指導者を戴くことになる。

 

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新生ホラントの指導者はアルバート・フォン・インスブルック

統治6、外交2、軍事2の合計君主力10はなかなかに有能。

特に統治君主力6は、最初のアイディアを「統治(administrative)」にしようとしているホラントにおいては非常に魅力的だ。

なお、まもなく後継者のウィレムが誕生するのだが、こちらも統治4、外交6、軍事2と父を上回る有能さを誇った。

 

開戦後、あらかじめ地中海にまで逃しておいた小型船12隻を南フランスの港に退避させる。

また、貴重な陸軍も、皇帝と同盟を結んでいることで得た帝国内の自由通行権を駆使して大きく時計回りで南フランスにまで退避させる。

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過去のプレイではウィーンに置いておいたのだが、ブルゴーニュ軍がわざわざそこまで出張ってきてこちらを壊滅させたため、フランスにまで逃すことに。

 

もちろん、本土は火あぶりである。

フランスとオーストリアという同盟軍は確かに強力だが、彼らはブルターニュ本土や南ブルゴーニュの制圧に熱心で、なかなかネーデルラントにまでは助けに来てくれない。

過去のプレイで散々彼らに失望させられた我々は、もはや今回、彼らの好きにさせておくことにしたのである。

それによって本国がどうなると知ったことではない。

とにかく、勝てばいいのだ、勝てば*1

 

そうして3年の月日が経ち・・・

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1447年6月4日。

ついに、ブルゴーニュがホラントの独立を認めた。

 

すでにホラント本土、すなわちホラント州とゼーラント州の大地は荒れ果てており、税収も激減していたものの、それでもこの戦いで得た自由は、かけがえのないものであった。

ホラントは、そしてネーデルラントは、ここから飛躍していく。

正式にホラント公となったアルバートは、そのように告げてホラントの民を鼓舞したのであった。

 

 

注釈:ホラント独立戦争はいつ仕掛けるべきか?

今プレイレポートは、開戦可能になったタイミング(1445年12月11日)で即座に仕掛けているが、もちろんそのタイミングは様々である。

もともとの計画では、「オーストリアとフランスがいれば楽勝でしょう」と高をくくっており、アントウェルペンの請求権捏造などを行ってから戦争を仕掛けていたりした。

 

しかし、それに要する1年の間に、ほぼ確実に、フランスとイングランドが戦争に突入してしまう*2

そのまま独立戦争を始めてしまうと、フランスから対イングランド戦争への参加を呼びかけられ、これに応じるとイングランドからもホラントに兵が送られてしまい、よりホラントが蹂躙されてしまうだけでなく、和平への道のりも遠のいてしまう。

そして、オーストリアだけに対ブルゴーニュ戦を任せてもやはり長引いてしまう。

だったら、序盤のアントウェルペン獲得と本土防衛は諦め、同盟国が勝手なことをしないうちに速攻を決めるプレイを選択したというわけだ。

 

その場合も、やはりフランスがイングランドと戦争になる場合もある。

その場合はまた、やり直すのも手かもしれない。

 

こうやっていろいろ悩んでいると、いつもプレイヤーの身勝手な戦争に巻き込まれるAIの気持ちが、少しはわかるような気がするのである。

 

 

 

 

2.ユトレヒト征服戦争

さて、独立を果たしたとは言え、南方への拡張は、未だにブルゴーニュとの同君連合を維持するブラバント・フランドルに阻まれており、進めることができない。

ということで、唯一の道は隣接するユトレヒト司教領の征服のみである。

 

オーストリアは帝国内の紛争には協力しないという姿勢。

さらにはフランスも、やはりイングランドとの戦争に突入しており、手一杯の状態。

ならば、とホラント公アルバートは、新たな同盟国を模索することに。

 

最初、アルバートは、ケルン選帝侯とクレーフェ公国(Cleve)にお願いしてみるが、いざユトレヒト戦が始まってみると、ユトレヒトへの救援に向かうフリースラント軍を抑える役目を一切せず、役立たずに終わってしまった(彼らがゲルデルン公国から通行許可を貰えていなかったからだろうか)。

 

そこで、打開策として、フリースラントからユトレヒトへの通り道となっているゲルデルン公国との同盟を結ぶことに。

ゲルデルンは次なる標的にするつもりだったので残念だが、仕方ない。

まずは目の前の目標を達成しなくては。

 

そして1449年10月12日。

アルバートは、ユトレヒト司教領への宣戦を布告する。

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ただちに、ホラント湾を12隻の小型船で封鎖。

海峡を渡ってフリースラント軍が攻めてこないようにする。

するとフリースラント軍はどうしようもできなくなり、ただ指をくわえて同盟国ユトレヒトが制圧されるのを待つしかなくなるのである。

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この戦いにはアルバート公自らが総指揮官として参加することとなったが、彼の能力は破格の白兵4!

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君主をリーダーにするのは戦死のリスクを伴うが、陸軍伝統が少ないときには通常の将軍を雇うよりもこういう超強力なリーダーが生まれる可能性があるためつい使ってしまう「君主将軍化」。

今回は後継者も強力なので、最悪戦死してしまってもいいとさえ考えていた。

 

ともあれ、これで問題なくユトレヒト軍を壊滅させたホラント陸軍は、そのままユトレヒトの包囲を開始。

およそ1年半の歳月をかけて、1451年7月15日。

ようやくユトレヒトの占領を完了する。

 

その後、ホラント陸軍は海峡を渡りフリースラントに侵攻。

ここでもアルバート公は軍事的才能を発揮し、ただちにフリースラント軍を壊滅させた。

 

 

そして1452年11月6日。

降伏を宣言したフリースラントからは大量の賠償金だけを奪い講和。

そしてユトレヒトには当初の予定通りホラントへの領土割譲を命じた。

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こうして豊かなユトレヒトの地は、偉大なるホラント公国の一部となったのである。

 

 

戦争には金がかかる。

だがそれ以上に、戦争によって得られる賠償金という直接的な利益は、莫大なものがある。

今回も2国から賠償金として総額300デュカートもの大金を得たアルバートは、ただちにホラント州とゼーラント州に寺院を建設し、小型船を増産し始めた。

 

そして、この錬金術をさらに推し進めるべく、彼はさらなる標的へと視線を向けるのである。

 

 

 

3.次なる標的

ユトレヒト征服を果たしたアルバートは悩んでいた。

隣接するゲルデルン公国は同盟を維持しているため攻め込むことは難しい。

一応侮辱(Send Insult)しておくがすぐには同盟破棄とはしてくれないだろう。 

 とりあえず、フリースラントとの休戦期間終了を待って攻め込むか・・・などと思っていると。

 

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フランスがブルゴーニュに宣戦布告しました!!

 

これは・・・渡りに船である。

しかもフランス側にはカスティリャも参戦しているという。

 

次々とブルゴーニュ領を占領していくフランス・カスティリャ連合軍。

しかし、台帳(Ledger)とにらめっこをしながら様子を見ているのだが、未だにブルゴーニュ軍は2万規模の陸軍を保有しており、漁夫の利を得る作戦はなかなかに難しい。

 

そうこうしているうちに1463年1月1日。

3年以上に及んだフランス-ブルゴーニュ戦争もブルゴーニュからフランスへの領土の大幅な割譲と、そして、

フランドル伯領の独立を承認

という形で決着する。

 

フランドルの独立!

これこそ、アルバートが待ち望んでいた結果であった(欲を言えばブラバントも独立してほしかったが)。

 

スパイ網を構築し、ヘントの請求権を捏造し、開戦の大義名分を得るのを待って、1464年の6月5日。

アルバートはフランドルに宣戦布告した。

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敵は同盟国も一切なし。

当然、一瞬にして全土を制圧。

戦争は、なんと5か月で終結した。

 

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フランドルからは領土の割譲ではなく、属国化で講和をまとめた。

フランドル地方は異文化ペナルティが(同族グループではあるため少ないながらも)あるため税収入はそこまですぐには見込めない。

また完全制圧をするのに2度に分けて戦うのも骨なので、一度に全領土を獲得できるチャンスのある外交併合を行うことにする。

 

そして1467年3月4日。
アルバートはフリースラント侵略を開始する。
こちらも、同盟国はなしだ。

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こちらもわずか9ヶ月後に首都を制圧。
ただちにその領土の割譲と賠償金184デュカートを代償に講和を結んだ。

 

なお、ここまでの間に「統治」アイディアの2番目「適応性(Adoptability)」を獲得しているため、併合後のコア化コストが25%削減されている。

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開発度の高いネーデルラント地域のプロヴィンスを次々併合していく際には必須となるアイディアだ。

 

 

 

 

と、アルバートが領土拡張政策に腐心している間に・・・

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宿敵ミュンスターが、ホラントの同盟国であるケルン選帝侯の領土を奪い取り、拡大していた!


ホラントの次の標的は決まった。

さらに拡張し、手が付けられなくなる前に、やるぞ!

(第2回に続く)

*1:なお、本土を犠牲にして敵軍を消耗させて勝つやり方は史実のネーデルラントも多用していた。いわゆる「洪水作戦」である。

*2:何しろこの時代はまだ百年戦争が継続中なのである。