リストリー・ノーツ

歴史ゲームのプレイレポートが中心。https://twitter.com/RestoryNotes

【Victoria3】アメリカ「経済的支配」目標プレイレポート第0回 ポーズ解除前の状況確認と各種方針

 

前回までの初見スウェーデンプレイレポートに続き、今度は「経済的支配」目標でアメリカ合衆国をプレイしていきたいと思う。

まさにこの時代の主役の1人であるアメリカ。ゲーム的にもイベントなどの意味でもかなり優遇されているだろうから、まずはそのあたりを全て堪能しつくしたいと思う。

南北戦争が巻き起こるかどうか分からないが、とりあえず奴隷制の廃止などを行いつつ西岸に到達し、できれば将来的にはペリープレイ(日本に開国を迫る)なんかもやれたら面白そう。

 

今回は第0回として、1836年時点でのアメリカ合衆国の状況確認と、ポーズ解除前の今後の方針確認とを行っていく。

 

それでは行ってみよう。

 

Ver.1.0.5(Vanilla)

使用MOD

  • English replace Japanese
  • Universal Names + Historical Figures
  • Complete Pop List
  • Japanese Nemelist Improvement
  • Dense Market Details
  • Construction Queue with States
  • Dense Trade Routes Tab
  • Unemployment and Peasant Date

 

目次

 

前回の初見スウェーデンプレイレポートはこちらから

suzutamaki.hatenadiary.jp

 

 

政治の方針

さて、まずは国選択画面から。

今回のVictoria3から、チュートリアル以外にもいくつか「目標」を選択していくことができるようになった。

それに応じたジャーナルが出るだけで、別段プレイの幅を狭めるようなことはないだろうが、一種のガイドとして試してみることとする。

 

ということで、最初の目標選択画面で「経済的支配」を選択。

その「おすすめの国」の最も左側に位置するアメリカ合衆国を選ぼう。

 

 

時は1836年1月1日。

この時期の北米大陸はまだアメリカ合衆国が大陸西岸に到達しておらず、メキシコが今よりもずっと領土が広く、アメリカの北にはカナダではなくイギリスの自治領である「ハドソン湾会社」、そして傀儡国である「コロンビア特別区」が横たわっている。

そしてアラスカはまだロシア領だった、そんな時代である。

東部と西部の間には複数のインディアン部族の住む土地が残ってもいる。

 

 

アメリカは当然大統領共和政を採用しているわけだが、当時のアメリカ大統領は第7代アンドリュー・ジャクソン(68歳)。

米英戦争で活躍したことをきっかけに1829年から大統領を務め現在は8年目。「アンドリュー1世」と揶揄されるほどの強権ぶりを示したことで、史上唯一議会から不信任決議をされた大統領でもあるとか。

その性格は「偏屈」。人気度が下がる効果はあるが権力+100の美味しい効果もあり、また特性の「経験豊富な植民地統治者」は植民地成長速度+20%という非常に有用な効果。ありがたい。

 

なお、史実でも南部出身で自身も黒人奴隷農場主でもあった彼はバリバリの奴隷支持派。

そもそもその所属政党の「民主党」が、このジャクソンの支持者によって創設された奴隷制支持者たちによる政党だったのである*1

ゲーム上でも、初期状態でジャクソン政権を支える与党として民主党が存在。その支持基盤となる利益集団は「南部プランテーション農家*2」となっており、そのイデオロギーには「奴隷制支持」が含まれ、指導者ジョン・カルフーンも個人イデオロギーとして「奴隷商人」を持っているなど、徹底的な奴隷制支持政党となっている。

 

ただ、この与党に対立する野党側に位置するホイッグ党*3の方が全体的な影響力は高い。前回のスウェーデン同様、現時点で高い政治力をもつ資本家階級が多く支持している実業家集団インテリゲンチャ(知識人層)らを支持基盤としているほか、前回選挙時に民主党に対して圧勝していることから得られる大量の政治力ボーナスを得られていることが大きい。

 

 

よって、早速ではあるが、政府改革を行う。

政権内にホイッグ党を入れて無理やり連立を組ませたうえで福音主義たちも民主党に合流させる。

こうすることで正当性も一気に95%にまで上げることができるようになった。

もちろん、共和党や「農村民」を政権から追放することもできる。

が、それを今やると急進派POPを増やしてしまうというデメリットも。

選挙直後であればこの急進派誕生リスクをなくしてしまうことができるため、今年の12月7日に予定されている選挙後に、彼ら奴隷制支持派たちを政権から追放してしまおう。

 

もちろんその際にいきなり奴隷制廃止に向けて動き出すと、彼らが革命を引き起こす必要がある。

「ことを成す」前にできる限りの準備、すなわち南部プランテーション農家の影響力を削ぐための方法を採るようにしよう。

なお、現在彼らに影響力を与えている要因は下記の通りである。

 

まずは、南部プランテーション農家出身の2人の海軍提督、イザーク・ハル少将エリー・アウグスタス・フレドリック・ラヴァレット准将を共に解雇してしまおう。

これにより、+5あった南部プランテーション農家たちの政府支持度が-3ポイントされてしまう(准将の解雇で-1、少将の解雇で-2)。

さらに、法律「地方警察」を、「専門的な警察機構」へ。

 

この審議開始によりさらに南部プランテーション農家の支持度は-5されてしまうが、それでもまだ-4と、ペナルティが発生する段階にまではいかない。

 

これで「専門的な警察機構」が成立すれば彼らの影響力も随分と下げることができるはず。

その上で「奴隷制の廃止」を行っていこう。

 

 

経済の方針

さて、続いて経済の状況を確認していく。

まずはスタート時点でのアメリカ市場の状況を確認。

食料品(+45%)、衣類(+21%)、穀物+18%)といった生活必需品が軒並み不足して値上がりしてしまっているのは問題である。

実際、最も人口割合が大きいであろう、ニューヨークの自給農家で働く小作農の需要を見てみるとこんな感じだ。

全体の4分の1を支出している穀物の価格が高めな状態は望ましくない。衣類も厳しい。

早急にこの状況を改善することが、国民全体の生活水準を上げ税収を増やす近道となっていく。

 

ただ、そこですぐに建設しようと考えるのではなく、まずは各種建築物の「製法」を変えることで何とかならないか確認してみる。

 

たとえばアメリカ国内に69個ある「トウモロコシ畑」の基礎製法を、「簡単な農場」から「土壌改良農業」にしてみるとどうか。

すると穀物の生産量が一気に1,010増加し、現在の「797不足」の状態を大きく改善させることができる。

逆にデメリットとして、肥料の消費が252増えるとなっているが、実はスタート時点でこの肥料は246余剰の状態。

むしろ肥料の使い道を見つけるという意味で、この製法変更は理にかなっていると言える。

 

製法変更後の市場価格は以下の通り。

穀物はやや余剰にまで供給が回復し、肥料も余剰分がかなり圧縮された。いずれにせよ基本価格との差がともに3%程度というのは望ましい状態である。

なお、上記の製法変更のところで出てくるポップウインドウ内では、製法変更により穀物の価格が5ポンドまで下がり安くなりすぎる、肥料は逆に52.5ポンドまで上がり高くなりすぎると表示されているが、この予測が全く間違っていることが良く分かる。

この辺りの価格予想はまだまだ信用が置けないと実際に言われているようなので、価格予測のところは真に受けないよう注意する必要がある。

 

続いて基本価格から21%も値上がりしてしまっている衣類も供給を回復しないといけない。

現在、POPの消費で1,670の需要が発生しているにも関わらず、ニューヨークとペンシルバニアマサチューセッツで合計10個作られている織物工場では合計813しか作られていない。

現在、官僚制15ポイントと341隻の輸送船団というコストを支払ってイギリスから487輸入しているが、それでも370不足している状態なのである。

 

すでに織物工場の製法は適切なものとなっており、これ以上生産量を増やすには単純に工場を追加で建築する必要がある。

現状では織物工場1個作るごとに60の供給が生まれるので、単純計算で6個は追加で建造したいところである。

もちろん、輸入するという簡単な手段もあるが、できれば国内の産業を発展させて雇用を生みたいというのもあるため、ここはまずは増産することにしよう。

 

そして最後に基本価格+45%と恐ろしく値上がりしてしまっている食料品

こちらもまずは製法でなんとかできないか確認するが、国内にある10個の食品工場をすべて「食糧生産優先」に変更すると今度は酒類が不足してしまう恐れが強い。

 

よって、バランスを考え、ケンタッキーの食品工場だけ、食糧生産優先方式に切り替える。

 

これで計算上は食料品が84不足、酒類115不足という状態になる。

食品工場はポットスチル製法で1つ建てるごとに食料品35酒類60を生産するため、(ケンタッキーではなく)テネシーに食品工場を追加で2つ建造することにする。

そうすることで先ほど余剰が出すぎた穀物の使い道もでき、同じく余剰が出てしまっている砂糖の消費にも繋がる。

 

さて、これでひとまず建築物の生産方針は決まったが、これで終わりではない。

本作では建設の際に建設会社のような存在である「建設セクター」の力を借りることになる。

この建設セクターもまた建設の際に物資を必要とするため、建設期間中はその物資が市場から枯渇してしまう。

たとえば建設セクター1つにつき現状消費する商品量は以下の通り。これが現在、6個すでに存在している。

 

本作における建設はすべて国営で行われるため、この物資の代金は国庫から支払われることになる。よって、供給不足から価格高騰するとそのまま国庫へのダメージとなってしまうのだ。

ゆえに、この建設セクターのことを考え、それに必要な工具、生地、木材、鉄の確保のための製法変更・施設増強を行う。生地は現在イギリスに1,890ユニットも輸出しているためこれをストップするだけでいいが、工具は飾り細工工房の増設が必要なためそこにもまた木材が必要になる。

また、そもそもこれだけの建設事業を行うのに建設セクターが6個では物足りないため、こちら自体をさらに6個増産し、それに合わせて上記の物資も追加で必要になって・・・。

 

これも国庫からの支払いとなる港で多く使用されている快速帆船の値段が高くなって非経済だよ! というアラートも来ているのでそちらの確保のためにも造船所産出ボーナスのあるマサチューセッツで増産する。

 

最後にこれらの建設物をどこに建てるかということで、労働力の源泉たる小作農とインフラの余剰がある州に建てていきたい。基本的に同じ種類の建物が多くなれば生産効率が増すらしいので、同じ種類の建物はできるだけ集中して同じ場所に建てたい。

 

あと、建設セクターの増産に伴い建設費用も高騰するため、最初から「低い」になっていた税率を「普通」に一段階引き上げ、さらに高級家具への消費税を設定。

 

これらをもとに、建設キューに商品をぶち込んでいく。

 

最後に、1836年スタート時点でのアメリカ合衆国の対外交易状況はこちら。

交易ルートの維持だけで165ポイントも官僚制を消費しているのでできるだけ整理したかったが、とりあえず1番の生地のイギリスへの輸出と、9番のスペインからの砂糖の輸入だけストップしておく。

 

こういうのを考えていくのがこのゲームの醍醐味である。

これからも激動するPOPの需要を見ながら、色々計画を組み立てていこう。

 

 

外交・技術の方針

最後に、外交状況と技術について確認していく。

まずは外交についてだが、最初からジャーナル「テキサス州」が有効化されている。

1836年にメキシコから独立したテキサス共和国を、アメリカ合衆国の州の1つとして編入するというイベント。史実では1845年に編入されているが、こちらを早期に達成したい。

現在、テキサス共和国はメキシコと戦争中。これが終わればすぐ併合できるように、影響力150を使用してテキサスとの関係改善を進めよう。

その他、仮想敵国のメキシコに対して外交プレイを仕掛けたときに関わってきそうな大国であるイギリス、フランス、スペインに対してはあらかじめ関係改善を仕掛けておくこととする。

 

技術についてはとりあえず知識人層の支持度が+9に達しているため、社会系技術の「近代下水道」を選んでいこう。

人口1,000人につき0.05インフラを改善させるというこの技術。

たとえば現在のニューヨークは220万人の人口を抱えているため、この技術を獲得しただけでインフラが11ポイントも増加する。

150万人のペンシルバニアであれば7.5、130万人のオハイオであれば6.5、マサチューセッツやヴァージニアなど80万を超えているところであれば6.5ポイント近くも増加することができる。

建築ラッシュをするにあたってインフラ上限はネックであり、かといってそうすぐに鉄道を敷設していくのも財政的に厳しいため、この技術獲得の恩恵は大きい。

 

その後はできれば実業家集団の支持度を5ポイント以上にして産業系技術の獲得ボーナスを得たうえで、食料品の生産性を上げる「缶詰工場」や衣類の生産性を上げる「機械化工房」などの技術を取得していきたい。

 

 

概ねこんなところだろうか。

現状確認とポーズ解除前にすべきことをすべて終わったら、早速開始していきたいと思う。

 

 

果たしてアメリカは、史実の通りの栄光への道を歩み、世界随一の超大国へと羽ばたけるのだろうか。

 

第1回へ続く。

suzutamaki.hatenadiary.jp

*1:なお、現在の民主党は当然リベラルな左派政党として知られるが、元々は民主党が右派保守的な奴隷制支持派であり、対する共和党が左派リベラルな奴隷制反対派であった。それが20世紀前半に逆転し今に至る。なおこの当時はまだ共和党は生まれておらず、民主党は最古の現存する政党として知られている。

*2:他の国の場合は「地主」。

*3:アンドリュー・ジャクソン大統領の専制的かつ反近代的な政策に対する反発から1834年に生まれた反奴隷制政党。民主党政権交代を繰り返し二大政党制を形作り、一時期はエイブラハム・リンカーンも所属していたが、やがて奴隷制支持派との妥協を繰り返したことで支持を失い、1860年代に消滅。代わって共和党が創設され、現在まで続く民主党との二大政党制の役割を担うことになる。そして当時の共和政は奴隷制反対の立場を持つリベラル的な政党であった。